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【受注生産消費者に安心】 読売新聞(2008.4.25 朝刊)
宮城県登米市の「板倉農産」では、ほぼ毎日、発送作業が行われる。客の要望に合わせ、指定日に、使いやすい10キロ以下に小分けして届ける。「以前は、農協の薦める銘柄が消費者の求める米だと思っていたが、受注生産を始めて、多様なニーズがあることが分った」と、阿部善文社長(41)は言う。
受注生産を始めたのは1995年。アイガモ農法など手間ひまかけて生産した有機栽培を、直接、消費者に届けられるからだが、同時に、消費者に選ばれる米作りが課題になった。
銘柄を5品目に増やし、食べ比べしやすいように1キロ単位でも販売。病院や保育園から注文を受けて、妊婦の苦手な炊きあがりの香りを抑えたり、やや硬めにして、かむ習慣をつけたりするブレンド米も作った。
顧客は、当初より700世帯増えて2000世帯になった。計24ヘクタールで耕作し、一部は近隣農家に生産を委託している。安売り店より10キロ当たり2000円ほど高いが、注文が途切れることはない。
客層が変化してきたのは、食品偽装がニュースになり始めた数年前。経済的に余裕のある高齢者が中心だったが、インターネットで注文してくる30歳代が増えてきたという。
「新規客のほとんどが、家族の健康への関心が高い子育て世代。ホームページで、農作業の様子を紹介したコーナーも、よく読んでいて、米の成分など専門的な質問をするお客さんもいます」と阿部さんも驚く。