米ぬかの効用はこんなにある
米ぬかを食べはじめたまめに現れる変化の最も大きいのが、便通が良くなることです。人によっては1日に2~3回トイレに行くこともありますが、これは下痢ではありません。米ぬかに含まれるダイエタリー・ファイバーが、腸の中をせっせと掃除しているためにおこった現象です。本来ならば一日三食とれば三回排便するのが理想です。腸内に便がとどまる時間が長くなればなるほど有害物質が発生しやすくなり、ガンなどの病気の原因になることがあるのです。どちらかと言うと、日本人は大腸ガンにかかりにくいと言われていましたが、食生活の欧米化にともなって、最近は大腸ガン発生率が増えてきているといいます。欧米人の食事は脂肪分が多く、ダイエタリー・ファイバーが少ない傾向があります。そのため、欧米人には便秘の人が多いのですが、そのことと大腸ガンの発生とは密接な関係があります。便秘して、腸内に便が長時間とどまっている間に、腐敗菌や発ガン性物質が発生し、腸の壁が悪い影響を受けるからです。その点、米ぬかを食べてダイエタリー・ファイバーを摂取することは、大腸ガンの予防に役立つわけです。
コレステロール値が下がる。
ダイエタリー・ファイバーには、コレステロールが体内に吸収されるのを防ぎ、地中のコレステロール値を下げる働があります。コレステロールが脳卒中、心筋梗塞、動脈硬化、肥満などさまざまな成人病のもとになっていることは、よく知られていことです。コレステロールと一言でいっても、全てが悪者というわけではなく、中にはいい作用をするものもあります。ところがダイエタリー・ファイバーが豊富な米ぬかは、まさに理想的なコレステロール対応食と言えるでしょう。
コレステロール値が下がり、便秘が解消されるだけで、肥満はかなり改善することができます。また、米ぬかに含まれるダイエタリー・ファイバーは、消化吸収されずにそのまま排出されますが、このときに余分な栄養分も一緒に排出することがあります。動物性たんぱく質や脂肪などを過剰に摂取しがちな人にとっては、好都合です。そのうえ、米ぬか食によるよい兆候がではじめるころになると、食べ物の好みも少しずつ変化が見えはじめることがあります。これは、とくに玄米を食べた時に見られることなのですが、米ぬかでも同じような傾向がみられるようです。これは、食後の腹もちがよくなるためです。このような状態になれば、肥満はどんどん解消されていきます。
高血圧を解消する
高血圧は脳出血、心筋梗塞、狭心症、心不全など、命にかかわる病気へつながる恐ろしい症状です。米ぬかは、高血圧改善にも有効だと言われています。米ぬかにはコレステロール値を下げる作用があることは先に説明しましたが、血中のコレステロール値が下がると、血圧も自然と下がってくるのです。また、米ぬかに多く含まれるリノール酸にも、血中のコレステロールや中性脂肪を減らす働きがあります。さらに、カリウムが塩分の排出を助けることも、血圧の安定にやくだっています。
血糖値を改善する
糖尿病が多いイギリスでは、戦争中、患者が急激に減ったことがありました。これは戦争による食糧事情の悪化で、砂糖や脂肪の消費量が減ったためといわれていますが、「小麦の精白率が下がったことも関係しているのではないか」と考えられたことがありました。そこで、糖尿病患者にダイエタリー・ファイバーが豊富な食事を与えてみたところ、糖尿病が減ったのです。糖尿病は、ときには失明したり、意識不明の昏睡状態になって死亡することもある恐ろしい病気です。現在ではインシュリンや食餌療法が行き届くようになりましたが、ちょっとした油断も禁物です。
ダイエタリー・ファイバーには、余分な糖分の吸収を阻害する働があり、これが糖尿や治療に力となっているのです