胃腸の弱い人は玄米よりも米ぬかを
玄米食は、健康管理のうえでは、好条件がそろっています。けれども中には、玄米食が向かないタイプの人もいます。胃腸の弱い人や、小食な人です。玄米ご飯は白米に比べると、硬くてかみごたえがあります。そのため、よくかんで食べなければなりません。このときあまりかまないで飲み込むと、胃に負担がかかり、消化不能をおこすこともあります。ですから、胃腸の弱い人や胃腸の機能の弱っている人、手術で胃が小さくなってしまった人などは玄米を食べると、体調を崩すこともあります。このような場合、胃への負担を減らすためにも、よくかむようにしなければなりません。玄米に限らず、よくかんで食べるのは、一つの健康法ともいえます。
よくかんで食べると、消化吸収がよくなるばかりでなく、食べ過ぎを防ぐことができるからです。日本では昔から「早飯食い」をいいことだと認める風習がありました。お茶漬けややきそばなどをかまずにサラサラと流し込むのが”粋”だと思われていた時代もありました。けれども、よくかまないで飲み込めば、それだけ胃の負担が大きくなりますし、満腹感がないために、大食いになってしまうのです。よくかんで食べると、かまずに飲み込むよりも少量の食べ物で胃袋がいっぱいになります。肥満防止には、よくかんでゆっくりと食べるのがいちばんなのです。
その点、 玄米食ならば、自然とよくかむ習慣が身につきます。よくかむことで食べすぎがなくなり、少量でも満腹感が得られるので、肥満気味の人には有効です。しかし、もともと小食だった人の場合は、さらに小食傾向が進む可能性があります。玄米食に切り替えたために、ますます小食になっては問題です。体を維持していくための栄養素が、不足しています。しかし、米ぬかをプラスする方法ならば、それほど心配はいりません。もちろん、よくかんで食べる事は大事です。かんでいるうちに唾液がたっぷりと分泌され、消化を助けるからです。玄米食に切り替えた時ほど気を使う必要はありません。今までと同じような食事を楽しみ、さらに米ぬかをプラスすればいいのです。